みなさんこんにちは。共和堂整骨院院長の呉です。今回は交通事故の症状、治療、経過について簡単に説明致します。
まず交通事故で一番多い症状はムチウチです。別名「頸椎捻挫」とも呼ばれますが、これは被害者が首に力を入れていない(構えてない)状態で追突されることで、首の筋肉や関節、靭帯などに過度の衝撃を与えて、ケガさせてしまうこと状態です。
頸椎捻挫は捻挫という言葉のとおり、足の捻挫と同じような経過を辿って治っていきます。
足首を捻挫すると、足首を動かして痛みが強いときはまず始めに冷やします。次にかばって歩いてしまう(びっこ引いて歩く)時は、サポーターなどで固定をします。
頸椎捻挫の場合も同様に首を動かすと凄く痛みが出てしまうときには頸椎カラーという首のコルセットを装着します。このような際にはよく冷やすと良いでしょう。またテーピングや湿布を用いて軽度の固定を補助すると、より一層症状改善しやすくなります。
捻挫の固定期間はケガの症状の度合いによって様々です。
足首の捻挫は2日~長いと一か月ほどの固定期間を要する時もあります、ムチウチの場合も数日~数か月と様々です。しかし首を一切動かさない生活は、たった数日で見事な肩こりを作ってしまいます。肩こりが酷い場合は、頭痛や吐き気も伴います。首の固定は必要最低限に留める必要があります。
関節の捻挫すべてに言えることなのですが、動かして痛い関節は初期には固定する必要がありますが、しっかり固定して数日置いておくと関節は段々固くなってきます。医学用語ではこれを関節拘縮といいます。
これが首になると、首周りの筋肉が固くなり、いわゆる肩こりが起きるのです。首が凝り過ぎると頭痛が起き、背部が凝り過ぎると吐き気を伴います。
また天候により疼痛が左右されてしまう症状もあります。これは気圧の関係で血行不良が起き肩凝りが強く出てしまうのではないかと言われています。
ムチウチの際に、頸部から分岐する神経が損傷した場合には、頸部由来の手腕へのシビレや知覚麻痺が起きます。
ここで大切なことはその症状が可逆的か不可逆的かということです。可逆的とは神経症状は時折出現するが症状が消える時間もあるということです。この場合は最終的に症状が消失しやすく後遺症として残りにくいのですが、不可逆的な場合は神経症状が四六時中出現し約三か月経過してもほとんど神経症状に変化がないことが多いです。これは後遺症として非常に残りやすいです。
これらが一般的に起きやすい症状です。事故に遭い精神的にもストレスを感じる中、症状に苦しめられ、しかも後遺症として残ってしまうような場合は非常に強いストレスとなります。事故後些細な症状でもきちんと治療することをお勧めします。
第11回:捻挫・肉離れ・打撲 | 第13回:ランナー膝について |