朝起きたときに、首の後ろ側が少し動かすと痛くて、首が動かせなくなります。これは不自然な姿勢で寝たときによく起こります。睡眠中は首の筋肉がゆるんでいるため、頭を不自然な方向へ曲げていると、首の筋肉の一部が過度に引き伸ばされてしまい傷んでしまいます。主に首から肩にかけて、あるいは背中まで傷めます。寝違いは、首の筋肉を伸ばし過ぎて傷めることから頸部捻挫と呼ばれます。
首や肩、背中の筋肉を押すと痛みます。また動かすと首筋がつっぱり嫌な痛みを感じます。また傷めた翌朝から起床時に体を起こす時に首が非常に痛くなります。また稀に就寝中の不自然な姿勢のために、頸部神経損傷を起こし、痺れを起こす方もいます。寝違いといっても症状は多様で、放っておいても数日で痛みが消えるものもあれば、2~3週間痛みが引かないこともあります。
寝違いとよく間違われやすい症状としては肩こりがあります。こちらは不自然な寝方をしたことで、例えば首が枕にしっかり置けないで首の筋肉がゆるめない状態で長時間寝ると、長時間首が緊張状態になり、起床時に強い肩や背中に凝った痛みを感じます。ただこちらはあくまで肩こりなので痛みの部分を押すと心地よい痛みで、動かしても嫌な痛みは出ません。「朝起きて首や背中が痛い」といっても症状をよくみれば肩こりなのか寝違いなのかが分かります
基本的には動かすと痛いわけですから極力動かさないようにテーピングで(症状強い時は頸部固定装具)で固定します。日中動かすと痛いので動きにくくすることで患部を安静に保ち早期回復を促します。
損傷が強く治るのに時間を長く要す場合は必ず肩こりも伴ってきます。動かすと痛いために、数日首を動かさないで同じ姿勢でいるたまに徐々に肩こりが発生します。動かせない期間が長ければ長いほど肩こりは強くなりますので、そちらも一緒に治さなければ症状は更に重くなります。これはムチウチにも同じことが言えます。捻挫した際に関節を長期に動かせないでいると関節は固まってきます。首も腰も足首も膝もあらゆる関節が固まってしまうのです。これを医学用語では関節拘縮といいます。首の関節拘縮はいわゆる肩凝りにあたるのです。捻挫(寝違い)は初期には動かさないようにすることが大切ですが、時間と共に損傷部分が固まらないようにも注意しなければなりません。
第4回:骨粗鬆症(骨粗しょう症)について | 第6回:肩関節周囲炎(四十肩・五十肩) |