接骨院・整骨院健康コラム

【第7回】腰椎椎間板ヘルニアについて

腰椎椎間板ヘルニアはどのような病気なのでしょうか?

腰椎椎間板ヘルニアはどのような病気なのでしょうか?

椎間板は、腰骨と腰骨の間にあり背骨に加わる衝撃を和らげるクッションの役目をしています。椎間板は中央にゼラチンのような柔らかい弾力性のある髄核という部分があり、その周囲には繊維輪という比較的硬い軟骨が幾重にも囲い、脊柱の上下から加わる力を全体的に均一に分散させ、衝撃を和らいでいます。20歳代になると繊維輪の弾力性がなくなり椎間板の変性が始まり所々に亀裂が生じます。 一方、髄核はまだ水分を十分含んでいて弾力性も保たれるので、椎間板に強い力が加わると椎間板内部の圧が一時的に上昇し繊維輪の亀裂から髄核が押し出されてします。この状態を椎間板ヘルニアといいます。繊維輪の亀裂は抵抗の弱い後側方や後方(背中側)に生じることが多いのですが、そこには脊髄や脊髄から枝分かれする神経根があるため、それらが飛び出た髄核によって圧迫され、痛みなどの症状が起こります。

腰椎椎間板ヘルニアになりやすい人は・または発生原因

腰椎椎間板ヘルニアになりやすい人は・または発生原因

椎間板ヘルニアは髄核に弾力があり繊維輪に亀裂ができる20~30代の若い男性に多い病気です。人間の腰骨は5つありますが、その腰骨の下から一二番目の腰椎にもっとも起こりやすいです。急激に腰を捻った際や、中腰で重い物を持ち上げた時といった腰に負担がかかった際に起きやすいです。既往歴としては元々腰痛を持っている方が発症しやすいです。

ヘルニアが起こりやすい場所は?

腰椎に起こることが多く、頸椎(首の骨)に起こることもあります。腰椎に比べて発生頻度は低くいです。腰椎椎間板ヘルニアの場合は腰痛や下肢のシビレを呈しますが、頸椎椎間板ヘルニアは頸部痛や手や腕にシビレを起こします。

腰椎椎間板ヘルニアの症状は?

初期症状は腰痛から始まりやすく、次第に膝下までの下肢痛を伴うようになります。 ヘルニアの起こる場所によって症状は変わります。また髄核の脱出度合いで症状は比例しません。ヘルニア(脱出)の程度が軽いのに症状が強いこともあります。

腰椎の椎間板ヘルニアの症状は?

痛みは通常安静で軽減し、動作により増強します。特に前屈や寝返り、あるいは座った姿勢や立位を続けることで痛みが増強します。

発症直後は痛みが強く腰を動かせませんが2~3週間程で症状が軽くなりその後は慢性期に移行します。慢性症状は、腰痛や足のシビレ症状が出たり消えたりを繰り返します。腰椎椎間板ヘルニアは腰痛の他に、一般的には左右どちらか一方に、臀部から太ももの後ろ、ふくらはぎの外側、足のつま先までに痛みが走る坐骨神経痛も起きます。まれに両下肢に神経症状を呈する方もいらっしゃいます。(この場合はヘルニアが大きいときなどです。)

人間の神経には運動機能を司る運動神経や知覚を感知する知覚神経がありますが、ヘルニアが運動神経を刺激すると筋力が落ち歩行障害を呈することもあり、また知覚神経を刺激した場合はシビレや感覚麻痺などが起こります。

頸椎椎間板ヘルニアの症状は?

主に左右どちらかの腕から手にかけて放散痛があり、その他シビレや脱力感も起こり易く首が痛みのため動かせなくなります。髄核が神経根ではなく脊髄へ脱出すると手足全身にシビレが出現し足に力が入らず歩行障害が起こり、フラフラとよろけたりもします。

治療の流れ

検査と診断は?
問診や症状経過、または痛み方を調べます。仰向け寝て、膝を曲げずに足をまっすぐにし足を上に持ち上げることで腰から足にかけて痛みが走るかチェックします。これはSLR徴候と言いヘルニアでは良く陽性になる所見です。その他に知覚障害の範囲、筋力低下の有無、腱反射を詳しく調べることで、どこの神経でヘルニアが起きているのか推測します。 実際にはMRIの画像診断が決め手となることが多いです。
治療は?
椎間板ヘルニアの治療は高度な麻痺や排尿障害がないかぎり基本的には保存療法を中心とします。まずは消炎鎮痛剤を内服し安静にしていれば数日から数週間で楽になります。痛みが強い場合は医師が神経ブロックや硬膜外ブロック注射を行うこともあります。また慢性化した場合は牽引療法・温熱療法・運動療法が行われます。牽引療法は脊柱を引っ張って伸ばし、脱出した髄核を自然に引っ込むのを期待する療法です。しかし持続的に牽引する場合は期待できますが、一日10分程度の牽引療法ではさほど期待はできないと思われます。温熱療法は腰や脚の痛む部分の凝ってしまった筋肉をほぐし血行を良くすることで症状軽減を促します。鍼も同じく筋肉のこわばりを取り、凝り固まった筋肉をほぐすことで血行改善を促し悪循環を断ち切るのに有効です。
手術は?
手術を必要とするヘルニアは5%程度言われています。 適応としては膀胱直腸障害がある場合や、高度に麻痺が起きる場合や保存療法では社会復帰が難しいとされる場合に行われます。
第6回:肩関節周囲炎(四十肩・五十肩) 第8回:腰部脊柱管狭窄症について

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